人なつこい瞳と愛くるしいえくぼを、テレビで見ない日はない。街を歩けば就職活動誌や航空会社などのポスターで、その笑顔が輝いている。企業からひっぱりだこの「新・CM女王」相武紗季(あいぶ・さき)さん。
うなぎのぼりの人気に、気負いはなく、いたって自然体だ。
「毎年毎年の積み重ね。突然、別次元に立ったという感じはありません」
清潔感、元気−−。
魅力の源は生地そのもの。高校時代は水泳部の副部長だった。
「入部してきた後輩たちを、ビシバシ鍛えました。中途半端は嫌いなんです」
02年、朝日放送の「夏の高校野球PR女子高生」に選ばれデビュー。05年にはNHKの夜の連続ドラマ「どんまい!」で、失敗にくじけない新米介護士を好演。同年の「がんばっていきまっしょい」(フジテレビ系)では、鉢巻き姿の女子ボート部員。翌年の「レガッタ〜君といた永遠〜」(テレビ朝日系)では大学ボート部のマネジャー役……。
ここまでは、高校水泳部の熱血副部長のイメージを引きずっているようだが、昨年は幅のある演技力が一気に開花した。「華麗なる一族」(TBS系)で、花嫁修業中の万俵家の次女役、「歌姫」(同)では主人公にひそかな思いを寄せる映画館の娘。年間に3本の連続ドラマに出演する売れっ子女優となった。
スターダムへの階段を着実に上っている「気になるあの娘」。今年は、どんな笑顔と元気を届けてくれるだろうか。
◇突き抜けた役、演じたい
正月は必ず兵庫の実家へ帰る。
「初詣でに行ったり、おせちを囲んでわいわい話したり、お正月は家族と過ごすこと以外に考えられません」
いまは祖父からもらったレシピで、黒豆などの正月料理を勉強中。
家族思いらしく、「歌姫」はいろいろ考えさせられるドラマだったという。
陽気な両親と出産で実家へ戻ってきた姉、さらに記憶をなくした風来坊と囲む食卓がいつもにぎやか。個性的な隣人、知人たちも絡んできて、ヒロイン・鈴の恋の行方に温かいまなざしを注ぐ。
「ドラマの舞台となった昭和30年代は、いい意味でみんな人におせっかいを焼いたり面倒を見たりしながらも、自分の役割を知っていたのでは。それは今でも基本なのではないでしょうか」
実家で迎える新年。どんな誓いをたてるのだろうか。
「実は逃げることが得意なんです。どんなに追いつめられても。だから今年は、もっともっと自分と仕事に真剣に向き合わなければ。仕事ではロックな感じの作品に出て、ぶっ飛んでる役、突き抜けた役を演じてみたい」
◇「瞳に力、同性も異性も好感」−−「花王・ビューティケア」広告作成部ディレクター・古賀彩さん(39)
相武紗季さんには、同性・異性の双方から好感をもたれるかわいらしさと同時に、強い存在感が備わっています。「ビオレさらさらパウダーシート」のCMには04年から出演していただいていますが、起用理由は「健康的」「さわやかな汗」「清潔感」という点だけでなく、瞳の印象強さがポイントでした。
女子高校生の9割が「使用経験あり」という商品なので、CMも、学校の部活動を終えた女の子が、ロッカールームでワイワイ言いながら汗をふく場面を設定してきました。相武さんは大勢の中に自然に溶け込みながらも光っています。
昨年は、「OLの紗季さん」が通うフラダンス教室というCMを制作しました。他の皆とダンスの振りがずれているというストーリーなので、「あれっ?」という表情が自然に出ることを狙い、練習は相武さんだけ当日の30分のみで撮影に入ることにしました。ところが、シンクロナイズドスイミングなどをしてきただけあって、あっという間に上手になってしまい、あわてて本番に切り替えました。反響は上々で、オンエアが始まった同年4月は、花王の「さらさらパウダーシート」のサイトに4万件ものアクセスがありました。
もう一つのCMは、寝起きの汗をふく「朝ビオレ」編。ボサボサ頭の自然体で汗をふく姿が「とてもかわいい」と好評で、自宅用ボックスタイプ商品の売り上げ増につながりました。本来は人前で慎むことである汗をふく行為を、いかにさわやかに見せるかが、この商品のCMの難しさですが、本当に気持ち良さそうに演じてくれたことで、汗をふくことのイメージも随分変わったと思います。CMとメーキングビデオも見られるので、ぜひご覧ください。
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